今回のお話はクリスマス菓子について。
クリスマスシーズン限定のジャム「Noel(ノエル)」についてご紹介します。
ヨーロッパでは12月になると、およそ1カ月間、街の広場にクリスマスマーケットが立ちます。青空の見える日が少ない冬、湯気が立ちのぼる明るい屋台が並ぶ風景は、寒いけどどこか温かくて、アルザスに住んでいたころは、スパイスの香るホットワインをちびちびと飲みながらマルシェで過ごす時間が毎日の楽しみでした。
シュトーレンなどのクリスマス菓子と一緒に、クリスマスマーケットやお菓子屋さんの店先にこの時期並ぶのが「ベラベッカ」です。アルザスの伝統菓子で、ドライにした洋梨がベースなっているところから、「洋梨のパン」とも言われます。ナッツやアプリコット、プルーンなどのドライフルーツを刻んでたっぷり加え、少量の発酵生地でつないで焼き上げてあるので、小さくてもずっしりと重く、まるで宝箱のよう。シナモンやクローブなどアルザスらしいスパイスの香りも、クリスマスの到来を告げてくれます。
romi-unieでクリスマスシーズンになると登場する「ノエルジャム」は、このベラベッカの味をベースに、洋梨をりんごに置き変えてつくっています。りんごは角切りとピューレ状にして、そこに4種類のドライフルーツとナッツ、6種類のスパイスを合わせています。アルザスのクリスマスマーケットで体験した香りを思い出しながら、ふんわりと包みこむようにやさしくスパイスを香らせ、プルーンやオレンジピール、くるみなど、食べる場所によって味わいや食感が変化する楽しいジャムに仕上げました。
アルザスでは、ノエルジャムにもいろいろなバリエーションがあって、クリスマスシーズンにしか買えない楽しみのひとつなんです。
ふつうにパンで召し上がっていただいてもいいですし、クッキーにのせてもおいしい。特に最強なのはチーズです。白カビ、青カビ、ウォッシュ、ハード系など、どんなタイプとも合うすぐれもの。12月は人と集まってチーズを食べる機会も多いので、お好きなチーズとぜひ合わせてほしいなと思います。チーズとジャムの入門編にもぴったりだと思います。
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