人について 03. Romi-Unie Confitureジャムアトリエ なつみちゃん

第3回目は鎌倉Romi-Unie Confitureのジャムアトリエのスタッフ、なつみちゃんのお話をお届けします。

romi-unieにはどんな仕事があって、どんなスタッフがどんな思いで働いているのか、お店の裏側にあるスタッフと働き方のお話です。romi-unieはほぼ100%女子という会社でもあるので、仕事を始めたばかりのスタッフからベテランまでいろんな立場での働き方もご紹介できたらと思っています。

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なつみちゃんとは

物心ついたときにはパティシエという言葉があった1998年生まれ。フランス校のある「辻製菓専門学校」を目指して高校生のころから塚本有紀さんのお菓子教室で学び、フランス語のレッスンもはじめていました。志望通り日本校で1年、フランス校で10カ月学び、2019年、新卒でromi-unieに入社。全セクションの業務を2年かけて経験し、3年目から鎌倉のジャムアトリエ勤務となりました。ジャムづくりのプロフェッショナルを目指し、日々奮闘中です。

仕事もプライベートも充実しています!

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出身は神戸です。高校生のとき、東京で食べ歩きをしたくて、お菓子教室の塚本先生におすすめを教えていただいて、いろんなところをピックアップしてくださったのですが、そのうちの一軒に「Maison romi-unie」がありました。初めてお店に入って、まるでフランスにいるような店の雰囲気にすっかり惚れてしまいまして…。ほかにも好きなお菓子屋さんはたくさんありましたが、働きたいと思うかどうかはまた別なんです。でもromi-unieは好きなお店であり、働いてみたいお店でもありました。

就職先を決めるとき、まわりから「神戸には洋菓子のお店がたくさんあるでしょ」と地元で働くことを強く勧められました。もしromi-unieで働くことになれば、神戸を離れて一人暮らしになります。母親の心配もわかるので悩みましたが、店のホームページに、「女性が活躍している職場」と書いてあるのを見て、やっぱりここに行きたいと思ったんです。厳しいシェフがいて、厨房が戦場みたいな現場だと萎縮してしまって、自分らしく働けないまま体を壊してしまうんじゃないか、この仕事を長く続けていけないんじゃないかという不安があったんです。お菓子を嫌いになってしまったらもともこもないと、そのことも心配でした。

romi-unieに入って3年目に入ったところですが、みなさん本当に素敵な方ばかりで、毎日楽しく働いています。また週休2日で残業なしという働き方にも、仕事のモチベーションをものすごく上げてもらっていると感じます。食べ歩きが好きなので、休日には東京に出かけて友達とランチをしたり、つい先日も話題になっているパフェを食べに日比谷へ行ったり、自分の時間を使ってしっかり遊んでいます。充電したぶんだけ、仕事への集中力とやる気が湧いてくるんです。先輩方も「20代はあっという間だよ」と言ってくださるので、後悔しないように人生を楽しもうと思うようになりました。いまは仕事もプライベートも充実しています!

新卒研修でジャムに目覚める

わたしは新卒で入ったので、2年間の研修コースからスタートしました。1年目は2、3カ月ごとに5つのセクション(販売 / Web Shop / ジャムアトリエ / 焼菓子アトリエ / ショコラテ&教室)をまわります。次の年は、自分に合うと思った仕事を2つ選んで、半年ずつその業務につきます。もともと焼菓子が好きだったので、入社前は焼菓子の製造アトリエに入るんだろうな、と漠然と思っていたのですが、すべてをまわってみて、外から見ているときよりそれぞれの業務の深い部分が垣間見えて、自分の知らない世界をもっと知りたいと思うようになりました。ひとつの商品をつくって送り出すのに、全部署の人が関わっていて、ひとつとして欠けてしまったら店がまわらないことを肌で感じたのも、研修で得た貴重な経験でした。

 

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そのなかで、自分の性格的に長く続けられそうで、ひとつのことを究めていきたいと思ったのがジャムでした。ジャムは毎日、決まった仕事が多く、飽きてしまう人もいると思うのですが、わたしはひたすら同じことをやるのが苦じゃなくて、むしろそれが得意だと感じたんです。何十個もフルーツをきれいになるまで磨いたり、瓶を洗ったり、検品も楽しい。ジャム入れの作業は、最初とても時間がかかっていたのですが、少しずつスピードが上がって、漏れもなくぴったり80グラム入れられたときは気持ちいいですし、達成感があります。検品では、蓋を締めたあと、瓶にホコリの繊維が残っていると商品をはじくのですが、続けていくうちにふつうの人には見えない小さなホコリも見えるようになるんです。いままでの自分にはなかった能力が引き出されていく感じもうれしくて、それが楽しさにつながっているのかなと思います。いまは段階的に仕事を教わっているところで、煮る作業はこれからなのですが、ジャムそのものは組み合わせの無限さや季節ごとに果物が変わっていく面白さがあるので働いていて飽きないですし、これから新しくおぼえる仕事にもワクワクしています。

 

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romi-unieのジャムはパンやヨーグルトに加えるだけで、生活の質が上がる気がするなーと感じています。ラム酒がほんのり香るキャラメルにピスタチオがゴロゴロと入っている「Caramel Jade(キャラメルジャード)」はとても贅沢な味が魅力で、いちばん好きなジャムです。パンやサブレ、アイスクリームにのせるだけで、リッチなお菓子が気軽に楽しめて、そんなふうに感じてもらえるジャムを自分も考えられるようになりたいですね。そのためには、まずジャムの仕事をすべておぼえて、数を重ねながら技術を磨いて、ジャムづくりのプロフェッショナルを目指します。研修期間中、教室のアシスタント業務を体験して、学んだことを人に伝える仕事にも興味が湧いたので、ざっくりとですが、5年後ぐらいにはジャム教室の講師もできるようになれたらいいなと思っています。

「今をどう動かすか」に役立つ10年計画

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教室の講師になる目標を立てたのは、ろみさんに「10年計画」をつくろうと言われたのがきっかけです。計画を立てるなかで、数年先の目標を明確にしていくのですが、なにがなんでもそれを達成しようと肩に力を入れるのではなく、途中で更新OKのちょっとゆるめの10年計画なんです。でも目指すものがあるとないとでは意識がぜんぜん違って、頑張れることにも気づきました。先のことを決めていないと、何をやってもそれはそれで気楽で楽しいのですが、自分はどこに向かっているのか、このままで大丈夫なのかという不安にふと襲われることも多いと思うんです。わたしはそうでした。でも10年計画をつくったことで、少なくともいまをどう動かしていけばいいかがはっきりとしてきて、自然と道が拓けていく感じがします。せっかくなら夢は大きく持ちたいですし、計画通りに行かなくても、自分の変化に合わせて更新できる10年計画なので、思い切って大きな目標を立ててみました。同じように、ジャムの製造数を上げて、もっとたくさんの人にromi-unieのジャムのよさを伝えていくことも計画のひとつに入れました。そのためには、自分のスキルアップが必要なので、まずはひとつひとつの作業効率を上げて時間内にできることを増やしていくのが目標です。

家でジャムをつくることですか? いまはないですね。やっぱり、仕事でやったほうが本格的というか、まだ学んでいる段階なので、やってはいけないというブレーキを自分にかけているのかもしれません。煮方をきちんと学んだら、自宅でつくるかもしれませんが、いまは食べ歩きで、めずらしいお酒やスパイスが使われているとジャムにいいのかな、と想像してみたり、ジャム以外のお菓子にもヒントがたくさんあると思っているので、少しずつ引き出しを増やしているところです。

 

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鎌倉のジャムのアトリエはお客様にいちばん近い場所にあるので、ガラス窓越しに楽しそうにお買い物をしているお客様の姿を見ながら働けるのはとても励みになっています。いまの環境を生かしながら、食べた人がワクワクするような「お菓子みたいなジャム」が早く自分でもつくれるようがんばりたいと思います。

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