
こんにちは。いがらしろみです。
鎌倉の街は紫陽花がきれいに色づきはじめました。爽やかな初夏の風が吹いて新緑から紫陽花に変わっていくこの季節は、路地で出会う紫陽花が美しく、毎年楽しみにしています。
鎌倉の美しい時期ですので、いろいろなスポットをおすすめしたいのですが、Romi-Unie Confitureのご近所徒歩5分以内のおいしいお店を紹介するだけで、いいお店がたくさん・・・。
【目次】
1.鎌倉にお店を開いたいきさつから・・・
2.ディモンシュでの楽しみは、マスターがいれてくれるコーヒーとワッフル
3.日本のお茶の深い世界を覗ける鎌倉倶楽部 茶寮小町
4.ムチムチで粉の風味が強いパン、ブレッドイットビー
5.正真正銘の「少しコゲある」鯛焼き 鎌倉浪花屋
6.かわいくて、おいしいはいつでも正義。完璧EENYプレート!
7.鎌倉パティスリーの超新星、ユキノシタ佐々木元シェフのお菓子

1.鎌倉にお店を開いたいきさつから・・・

さて、そもそも東京出身の私が25年前から鎌倉に住むようになり、その後お店を開くきっかけをつくったカフェの話から。今から25〜30年ほど前、ノストラダムスの大予言をドキドキしながら待つ20世紀末、世はカフェ・ブームというのがありました。
まだネットでの情報もあんまりなくて、雑誌でいろんなカフェの情報を見つけては、友達とカフェ巡りをするというのが楽しかった時代です。カフェでお茶やお酒を楽しみながら、仲間と夜中までおしゃべり。そんなカフェが、自然とコミュニティになっていた時代でした。
ある日Cittaチッタという雑誌を読んでいて(その後、私のレシピ本を何冊もつくってもらった赤澤かおりさんの記事でした!)、対談していた鎌倉のカフェに行ってみようと出かけたのが鎌倉「Cafe Vivement Dimanche(カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ)」でした。

その頃のディモンシュはのんびりしていましたね。テーブルに置いてあるフリーペーパーのデザインもかわいくて内容も面白くて、置いてある本も堀内誠一さんの画集とか、オリーブ少女にはグッとくるポイントばっかりでした。フランス映画が好きで、フランスの音楽をBGMにしてるカフェで、ゆったりカフェクレームを飲みながら、フランス好き同志!という感じでマスターと話が弾みました。それが堀内さんでした。その後も東京のLes PlusというDJイベントで堀内さんがカフェオレ担当で参加していたり、フランス&音楽やカルチャーの気の合う共通点が多くて、いつしか私もディモンシュでイベントをさせて頂いたり、堀内さんと沼田元気さんが講師の池袋コミュニティーカレッジの「カフェロジィ講座」でお菓子を担当したり、ディモンシュのカフェのメニューを考えたり・・・。
思い出すのはミレニアムのカウントダウンのこと。ディモンシュでお料理やお菓子を担当させて頂きました。大きなイベントをやり切って、鎌倉の海で2000年の初日の出を見たんです。あぁ、きれいだなぁ・・・って。で、そのあと、勤めていた料理学校で異動もあって横浜勤務になって、「ディモンシュがある鎌倉に住める!」って、鎌倉に住むことを決めました。

カウントダウンの時には想像もしていませんでしたが、半年後には鎌倉に呼ばれたみたいに暮らし始めることになったのです。鎌倉での生活が始まって「私、生きている!」という感じでどんどん楽しくなってきて、ふらりとディモンシュに寄る日々がうれしくて、その後もずっと住むことになりました。そんな中で鎌倉にお店を開くことになったので、私としてはいたって自然な流れでした。「なぜ鎌倉にお店を開いたのですか?」と聞かれることがありますが、私の中では「鎌倉にディモンシュがあったから」というのがシンプルなストーリーです。
さて、鎌倉にはおいしいお店がたくさんあります。世の中にはガイドブックやサイトなどもたくさん存在しますが、私が鎌倉にお友達が来たら案内する、徒歩5分圏内のおいしいお店をご紹介したいと思います。鎌倉でRomi-Unie Confitureを訪れた時に、何かお役立て頂ければと思います。
2.ディモンシュでの楽しみは、マスターがいれてくれるコーヒーとワッフル

鎌倉でコーヒーといったら、「Cafe vivement dimanche(カフェ ヴィヴモン ディモンシュ)」。
Romi-Unie Confitureからは歩いて3分。最近は人気すぎて並ぶことも当たり前になってしまったディモンシュですが、まず選ぶべきものは、マスターがハンドドリップでいれてくれるコーヒー。たくさん種類があるので、ソムリエに好みを伝えてセレクトしてもらうようにオーダーするのがいいと思います。
堀内マスターが現地まで行って買い付けしたりして、マスター自身が焙煎しているコーヒー豆です。コーヒーが苦手な私でも、ディモンシュではストレートで飲める、深く濃い味わいなのにタッチが優しくて香りがよいのがディモンシュのコーヒーです。本格派の方でも楽しめること間違いありません。紅茶も美味しい茶葉を用意してくれているので、紅茶もおいしいですよ。暑くなってきたら、名水のアイスコーヒーとかもいいですね。

食事は、ここではオムライスかムケッカ(コーヒーの買い付けやブラジル音楽にはまっていてマスターが気に入ったブラジル料理です)。または食事系のワッフルサンドというチョイスもできます。
甘いものもいきたければ、ハーフサイズのオムライスというのがお約束でしょう。
パフェは、定番のカフェ・ディモンシュ(おいしいディモンシュのコーヒーゼリーやグラニテなどで構成されています)、と季節のパフェのチョイスがあります。
ビギナーズには、コーヒー、オムライス・ハーフ、パフェのフルコースがおすすめ。ディモンシュのフルコースです。

ちょっと一息、おやつの時間で利用することも多いので、30年近く通う私としては、マスターのコーヒーはマストとして、ちょっとマニアックな「塩キャラメルのワッフルC.B.S.E(Caramel Beurre Sale Excellentの頭文字です)」をチョイス。ワッフルが軽くてあったかくてバニラアイスが冷たくて、最高です。これで、心の充電は満タンです。
■Cafe vivement dimanche(カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ)
📍神奈川県鎌倉市小町2-1-5 桜井ビル1F
🚃JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅より 徒歩5分ほど
📅月・火・金・土・日 11:00 - 18:00 L.O. 17:30 定休日:水・木
https://www.instagram.com/cvdimanche/
3.日本のお茶の深い世界を覗ける鎌倉倶楽部 茶寮小町

ロミユニのお店からは歩いて2分くらい。二ノ鳥居をディモンシュ方面に曲がってすぐにあるのが、秘密基地のようなお店。日本のおいしいお茶とお茶のお供が頂けるカウンター。小さなお店ですが、日本のお茶の世界がみっしりと詰まっています。メニューはたくさんあるので、しばらくメニューで悩むことは間違いないです。まずは、お茶とお茶のお供がセットになっているものから選ぶのが、このお店を楽しむ方法として賢明です。

季節のパフェもいいのですが、ここで定番的に出されているメニューで気に入っているのが、「発芽玄米餅のみぞれ餅」。セットになっているのは、「新潟県村上市」の煎茶(品種:在来種)。私の母の出身地なので、昔から村上茶には親しみがあります。丁寧にいれて頂くお茶を飲んでいると、素敵なお椀が運ばれてきます。

お椀を開けるだけでいい香りにうっとり。この発芽玄米餅が香ばしく焼かれていて、いいお出汁の香りに大根おろしがからまって、優しく体に沁み渡ります。お餅にミモレットチーズが潜ませてあって、これがまたコクがあっておいしい。一椀で、和食屋さんにいるような、上品で美味な組み合わせです。最近はランチもあるので、お食事の場所で来てもいいかもしれません。

いつもお茶のお話を面白くききながらおいしいお茶を頂く時間は、心が満たされる時間で、だから一人で来ることが多いお店です。茶器の作家さんの展示もよく開催されていて、お茶への愛がパンパンに詰まっていて、深みにハマりそう。
■鎌倉倶楽部 茶寮小町
📍神奈川県鎌倉市小町2-10-19 二ノ鳥居ビル 1F
🚃JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅より徒歩3分
📅月・火・水・金・土・日①11:00 - 17:30 ②18:00 - 22:00
定休日:不定休
https://kamakura-club.com/tearoom/
4.ムチムチで粉の風味が強いパン、ブレッド・イット・ビー

romi-unieでジャムを買ったら、パンも買って帰りたいですよねー。おいしいパン屋さんをよく聞かれるんです。ご近所にできて気に入っているのが、お店から歩いて2分の「BREAD IT BE (ブレッド・イット・ビー)」。

天然酵母で自家製粉で高加水でオーガニックや地元の粉もあるパンなんですよ!こだわりがすごい。この中から、おいしすぎるムッチムチの「オーガニック・ロデブ」が毎回私のお目当て。香ばしい周りの部分もおいしいけれど、中身の部分がしっとりして大事だから、パンは大きく焼かれてカットして販売されます。
この「オーガニック・ロデブ」とロミユニのキャラメルクリームの相性が、最強です。ハートが射貫かれますよ!ぜひ、組み合わせてみてほしい。他にも気になるパンがたくさんありますよ。ブリオッシュ系もおすすめです。

最近、ドリンクとイートインスペースも作ってくださいました。素敵でCozyなムードになっていて、流れる音楽はビートルズ・・・ではなく、この日はサザンでした。そんなハズシもまたリラックスできますね・・・。

■BREAD IT BE(ブレット・イット・ビー)
📍神奈川県鎌倉市小町2-16-35
🚃JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅より 徒歩5分ほど
📅月・火・木・金・土・日 8:00 - 17:00(売り切れ後閉店) 定休日:水・第2木曜日
https://breaditbe.com/
5.正真正銘の「少しコゲある」鯛焼き 鎌倉浪花屋

ちょうど鎌倉倶楽部を出ると向かいにあるのがここです。
鯛焼きというと、絶対に登場するのが「およげたいやきくん」。ポンキッキ世代(ポンキッキーズじゃない)としては、私としてはおなじみの童謡みたいなもの。歌のアニメーションでも登場していた麻布十番の浪花屋さんで長く焼かれていたご主人が、のれん分けで鎌倉に出した鯛焼き屋さんです。
1個ずつの鯛焼きの型で、ゴロゴロ回転させながら、歌詞にも出てくる「少しコゲある鯛焼きさ~♪」を焼いてくれるこのお店が近所にできたときは、狂喜乱舞でした。この焦げが、香ばしくておいしいんですよねぇ。おみやげにすることもあるけど、やっぱり焼き立てがおいしいから、買ったらすぐに頬張るのが最高でしょう!

薄~い皮に、ぎっしりのおいしい自家製あんこが詰まっていて、職人技の手仕事が光る正真正銘の鯛焼きは麻布十番の本家と変わらないおいしさ!この伝統芸能のような鯛焼き屋さんが鎌倉の風景としてあるのも、幸せなことです。

あんこつながりでいうと、ユニオンの脇の小路を入った「納言志るこ」も忘れちゃいけない。ふっくら小豆が炊かれた絶品のおしるこが食べられる、昔ながらの甘味屋さんです。私は田舎しるこ(つぶあん)派。入口のかわいいのれんも季節で変わるからチェックですよ。
■浪花家
📍神奈川県鎌倉市小町1-7-8 TAK鎌倉ビル 1F
🚃鎌倉駅東口から歩いて3~4分
📅火・水・木・金・土・日 11:00 - 18:00
定休日:不定休
https://www.instagram.com/kamakurataiyaki/?hl=ja
6.かわいくて、おいしいはいつでも正義。完璧EENYプレート!

アーティストとして有名なCHALKBOY(チョークボーイ)さんが、ロミユニのご近所にカフェを!!! このあいだ1周年を迎えたEENYと書いてイーニーと読むカフェです。
自由なムードに満ちていて、二ノ鳥居を眺められる広々空間。かわいいTシャツやキーホルダーのコーナーも大好きです。

メニューは、お決まりの「EENYプレート」。かわいいオーダー表に、セレクトを記入していくスタイルです。どこか外国のホテルの朝食オーダーのスタイルみたいでワクワクします。

▲オーダー表を書くのもわくわく
お皿は、作家の中囿義光さん(yoshimitsu_nakasono)がおつくりしたものに、CHALKBOY率いるWHW!が4人で手描きで絵付けした物だそう。ひとつひとつ違ってチャーミングだし、ロゴ入りグラスもかわいいし、かわいいが溢れていますが、ふんわりしっとりの焼きたてバターミルクパンケーキや、手割フライドポテトやサラダ、ベーコンに至るまで、手作りで仕込まれていて、どれもすごくおいしいんです。かわいくておいしいは、いつでも正義だ!

CHALKBOYさんことヘンリーさんは、昔、私がお店を鎌倉に開く前に大阪でジャムを販売して頂いていたカフェで働いていて、そこでカフェのメニューを描くチョークアートを始めて、そしてアーティストとして活躍して、鎌倉にやってきて素敵なカフェを作ってくれました。運命がぐるりと巡って鎌倉でつながったような、勝手にそんな気がしています。

■EENY breakfast & shop(イーニー ブレックファスト&ショップ)
📍神奈川県鎌倉市小町2-15-6 鎌倉石渡ビル 2F
🚃JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅より徒歩5分
📅月・水・木・金・土・日 8:00 - 17:00 L.O. 16:00 定休日:火
https://www.instagram.com/eeny_breakfast/
7.鎌倉パティスリーの超新星、ユキノシタ佐々木元シェフのお菓子

お菓子屋さんの友人・知人が来た時に、「鎌倉の今一番ナウいパティスリーです」と言って案内するのがここ「La Boutique de Yukinoshita Kamakura」。店名が長いから、「ユキノシタ」って言ってます。ロミユニから歩いて3分程。おいしいお蕎麦屋さん「こ寿々」の前の信号を渡った向こう側。このお蕎麦屋さんも昔から好きで、私のフルコースは、まず卵焼きとわさび芋と樽酒で楽しんでから、おいしくて美しいざるそばを頂いて、豆かんで締める。わらび餅も有名だけど、豆かんが好きなのです。あ、話がそれました。
お店に入ったら、美しいお菓子をまずは眺めて選んで迷って、数分間のセレクトタイムを楽しみます。今回は、「グルナ」というショコラのムースとフランボワーズのコンフィチュールの組み合わせのお菓子を選びました!(シンプルに書いてますが、構成はとっても多彩です)

こちらはイートインもあって、しかもドリンクのお茶がおいしいのがうれしい。ダージリンにはファーストフラッシュとセカンドフラッシュのセレクトがあるんですよ!柔らかくて持ち帰るには不安なお菓子は、イートインで頂くことにしています。段葛の景色を眺めながら、のんびり頂くお菓子の時間は贅沢で至高のひととき。鎌倉パティスリーの超新星、佐々木元シェフのお菓子のデコレーションの美しさやコンポジションのはまった感じを、きれいなクラシック音楽を聴くみたいに楽しみたいのです。はぁ~。美味しくて癒されます。

さて、もう一つ、鎌倉みやげに買って帰るのにおすすめで、佐々木シェフの発明じゃないかな?と注目しているお菓子が、ショーケースの右側で展開されている「ディスク」というお菓子。季節によって変わるオリジナルあふれるディスクが数種展開されていますが、新しいジャンルのお菓子だから、ついつい見落としてしまいそう。

ショコラとタルトの間のスタイルをとっていて、セミドライのいちじくを使ったり、少し小さめのディスク型で、ショコラやクランブルの構成で生ケーキよりもうちょっとボンボンショコラとかに近くて、ぎゅっと濃い凝縮されたお菓子なのです。これが店頭では冷凍されているのですが、上手に美しく箱に入って固定されていて、家に持って帰るまでは常温で持ち帰ることができるのです。家で常温にもどった状態のお菓子をカットして、3人か4人家族だとちょうど食べきれるいい大きさ。鎌倉からお土産にできる、ホールケーキじゃないけど、切り分けて食べるかわいくておいしいお菓子。うん、発明でしょう。
鎌倉に来たら、このお菓子とディモンシュのコーヒー豆を買って、家族にお土産話をしつつ、おいしいコーヒータイムを!
■la boutique de yukinoshita kamakura
📍神奈川県鎌倉市小町2-12-25
🚃JR横須賀線・江ノ島電鉄「鎌倉」駅より 徒歩7分ほど
📅10:00 - 18:00 定休日:不定休
https://yukinoshita.info/

Romi-Unie Confitureからたった徒歩5分圏内に、こんなにたくさん魅力のつまったお店がある鎌倉は、やっぱり最高ですね。もちろん範囲を広げたら、きりがないですよ。私はいつでもおすすめできるよう、こまめに鎌倉を食いしんぼパトロールするのを楽しんでいます。またいつか、他のいいお店も紹介したいです。
鎌倉にお越しの際は、是非おすすめのお店に立ち寄ってみてくださいね。ではよい鎌倉旅を。Romi-Unie Confitureでお待ちしております!

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