今回のお話はromi-unieの定番ジャム、いちじくとカシスの「Cache-Cache(カシュ カシュ)」についてご紹介します。
オープンからずっとつくり続けているのがカシュカシュです。いつも5本の指に入るほど人気で、romi-unieの真骨頂とも言える定番の自信作です。
romi-unieでは、旬のフルーツ1種類でつくる「パニエシリーズ」も増えてきましたが、もともとは、2種類以上の果物を組み合わせたジャムからスタートしました。いろんな組み合わせを試していくなかで、こんなに完璧な相性はないなと思うのが、このいちじくとカシスです。
「いちじくのジャムだと思って食べたら、あれ?カシスだった」とか「カシスのジャムかと思って食べたら、いちじくも入っていた」とびっくりされる感想をよくいただきます。2つのフルーツが見え隠れする感じは、カシュカシュの意味する「かくれんぼ」そのもの。言葉の響きがかわいいところも気に入っています。
まったり濃厚ないちじくは温厚な性格で、シャープな酸味と若干のエグミを持つカシスは尖った個性派。素材としては相反する者同士なのですが、いちじくの濃厚な甘みをカシスの酸味が軽やかに、カシスのどぎつい酸味は、いちじくの甘みがやわらげて、ちょうどいいバランスで着地してくれます。
果肉の感じも、いちじくのプチプチごろごろ感、カシスのつるつるころころした食感の違いが絶妙に合わさって、わたしのなかでは、フランス菓子っぽいなと思う組み合わせです。
トーストやヨーグルトはもちろんですが、チーズに合わせるのが特におすすめ。どんなタイプにもあいます。チーズプレートには、よくドライいちじくやレーズンが添えられますが、ジャムに置き換えてもおもしろい。大量じゃなくていいんです。ドライフルーツよりフレッシュ感があって、ほんの少しでチーズの味わいに広がりが生まれます。
フランスではフォワグラのテリーヌにいちじくのジャムを合わせるのが定番。このジャムを、お肉系のテリーヌやパテに添えると、味わいがぐっとヨーロッパっぽくなります。
ライ麦系のパンとの相性もぜひ試してみてください。わたしは、鎌倉にあるドイツパンの「ベルグフェルド」さんのプンパニッケルに、バターとこのジャムを合わせるのが大好きです。紫系のジャムとライ麦パンは色の組み合わせもとてもきれいで、思わず見入ってしまいます。
年間を通じておつくりしているので、見つけやすいと思います。思い出したら、ぜひお手にとってみてください。